外傷外科医を育成することを目指して特別に設けたプログラムです。
外傷診療に必要な外科医としてのdecision makingと、幅広い分野の手術手技を修得し、数多くの外傷手術が経験できるように計画されています。外傷外科医にあこがれる医師は是非参加してください。
※外傷手術の件数を考慮し、本プログラムに同年度に参加できる人数には制限を設けています。
対象
- 外傷外科に興味のある医師。
- 消化器外科、肝胆膵外科、心臓血管外科、胸部外科、整形外科、脳神経外科などの外科系研修経験のある者がのぞましい。
プログラムの内容
外傷手術冊子と手術ビデオを収録したCDの配布
外傷手術の標準的手術手技、キーポイントとピットフォール等について、イラストや写真を多用して当教室がまとめた冊子と、手術ビデオを収録したCDを配布します。これらの教材により、プログラム参加者がどのような手術手技を修得すべきなのかを理解できるようにしました。また、この冊子は当院で実際の外傷手術を実施するときのマニュアルとしても使用できます。
Decision makingのトレーニング
外傷診療では、診断、検査、処置、手術において、迅速で的確なdecision makingが求められます。本トレーニングでは、外傷診療の経験豊富な医師とともに実際の外傷症例の診療経過を徹底的に議論しあい、decision makingの能力を身につけます。手術ビデオなども供覧しながら、アプローチ法、術式の選択、細かな手術手技について議論します。このトレーニングを通じて実際の外傷診療を行う時のイメージを掴むことができます。
幅広い分野の手術手技の修得
プログラム参加者は院内の肝胆膵外科、消化器外科、心臓血管外科、呼吸器外科、整形外科、脳神経外科などの手術に、週に1日、救急部の診療を離れて参加します。参加する手術を数ヶ月毎に変更することで、幅広い手術手技を修得できるようにします。救急部専従では困難とされる手術技能の向上を、大学病院の機能を最大限活用し、専門分野における最新の手術手技を修得しながら実現することを目指します。
数多くの外傷手術の経験
プログラム参加者は病院周辺に居住することを推奨します。外傷症例の緊急手術に際しては、指導スタッフとともにすべての手術に参加できるように連絡します。尚、本院周辺には多くのショッピング施設、娯楽施設があり、交通の便も極めて良好です。快適な都市生活を満喫しながらプログラムに参加することが可能です。
外傷外科のoff the job training courseの受講
ATOM(Advanced Trauma Operative Management)、DSTC(Definitive Surgical Trauma Care)、SSTT(Surgical Strategy and Treatment for Trauma)などの外傷外科習得のためのoff the job training courseのうち、いずれか一つを受講する機会が与えられます(費用は医局負担)。
海外の外傷学会への参加
米国で開催されるAAST(American Association for the Surgery of Trauma)やヨーロッパのESTES(European Society for Trauma and Emergency Surgery)のAnnual meetingに参加する機会が与えられます(費用は医局負担)。
プログラム参加者の手術症例数
現在プログラムに参加している医師の2010年度手術症例数 (卒後20年目)
- 外傷外科 術者11
- 救急室開胸(大動脈クランプ、心縫合、肺切除) 3
- 開腹止血術(肝縫合、摘脾、ダメージコントロールなど) 5
- 膀胱修復術 1
- 四肢、軟部組織(デブリードマン、洗浄) 2
- 外傷外科 助手21
- その他のAcute care surgery 術者5
- 心嚢開窓 1
- 開腹止血術(脾動脈瘤破裂) 1
- 消化管手術(穿孔、出血、ヘルニア嵌頓) 3
- その他のAcute care surgery 助手21
- 気管切開術 助手9
指導スタッフ
- 溝端 康光
- 日本外傷学会評議員・専門医、日本外科学会指導医、日本救急医学会指導医、American Association for the Surgery of Trauma(米国外傷外科学会)member
- 山本 啓雅
- 日本外傷学会会員、日本救急医学会指導医
- 西村 哲郎
- 日本外傷学会会員、日本救急医学会指導医