診療実績


1)救急隊搬送数と応需率

→2020年 救急応需状況は、こちらを参照ください。

2)重篤患者数

内訳 2014年度 2015年度 2016年度
病院外心停止 199 162 170
急性冠症候群 30 33 36
重症大動脈疾患 12 11 19
重症脳血管障害 33 53 35
重症外傷 173 188 211
重症熱傷 6 12 10
重症急性中毒 18 26 22
重症消化管出血 26 18 21
重症敗血症 26 25 27
重症体温異常 5 10 14
特殊感染症 1 4 4
重症呼吸不全 32 24 32
重症急性心不全 16 15 23
重症出血性ショック 3 6 8
重症意識障害 11 13 14
重篤な肝不全 5 3 6
重篤な急性腎不全 2 7 2
その他の重症病態 60 7 48

3)Surgical ICU患者内訳(2014年度)

脳外科 248件
心臓血管外科 271件
食道 118件
肝臓 4件
外科その他 21件
整形外科 9件
耳鼻咽喉科 16件
泌尿器科 7件
内科 42件
小児科 4件
その他 35件
775件

4)特定病態対応

急性冠症候群

救命救急センターでは2014年10月より循環器内科と連携し、急性冠症候群が疑われる患者の受入を行っています。 20分以上持続する胸痛、絞扼感、突然の激しい胸痛、左肩・左腕に放散する痛み、背部痛、心電図異常、血圧の左右差などの急性冠症候群が疑われる症状が対象となります。救急医、循環器内科医が連携し、Door to Balloon Timeをより短くするように努力しています。

脳梗塞

救命救急センターでは2015年1月より神経内科と連携し、急性期脳梗塞が疑われる患者の受入を行っています。 激しい頭痛、意識障害、めまい、麻痺、脱力、呂律難、急性期脳梗塞が疑われる症状が対象となります。救急医、神経内科医が連携し、迅速に血栓溶解療法を開始するように努力しています。
 

5)DMAT活動・医療支援活動

DMAT活動

当院は災害拠点病院として地域の災害医療活動を担うとともに、広域災害についても厚労省の日本DMAT:disaster medical assistance teamや大阪DMATとして平常時より災害対応への準備を行っています。 平成23年3月11日の東日本大震災発災時には、大阪でもエレベーターが非常停止するほどの大きな揺れがありました。東北での広域にわたる甚大な被害の情報から災害医療活動には被災地での機動力が必要と判断し、当院としては緊急車両とワゴン車の2台で陸路にて被災地入りする方針としました。茨城県のDMAT参集拠点である筑波メディカルセンターの指示のもと、3月13日に常陸大宮市役所の避難所の医療救護および情報収集を行いました。本来のDMATの役割である発災から48時間程度の災害急性期の医療活動だけでなく、30万人を超える避難者の方々への長期間の医療救護が必要となる旨の報告を行いました。

大阪市DMATの一員として、岩手県釜石市・大槌町に赴きました。現地の凄惨な光景を目の当たりにして茫然としました。しかし、避難所で被災者の方々に出会い、助け合いながら生活している姿を見て、逆に勇気付けられました。 「どんなことでもいい。ここに避難されている人々の力になれたら・・・」ただただそんな思いで救護所を設営し、大阪市救護班の一員として診療を行ないました。現地では最高のチームビルディングがなされ円滑に活動でき、その後の救護所活動の基盤を構築することができました。

DMAT報告会開催

平成23年4月9日、当院5階講堂にて東日本震災についての大阪府のDMAT報告会が行われました。基幹災害拠点病院である大阪府立急性期総合医療センターの藤見聡先生と当院の溝端康光センター長が司会を務め、大阪府下の各医療機関のDMAT隊員より活動報告と熱心な討議がなされました。発災当日に自衛隊機で岩手県の花巻空港に派遣された隊、ドクターヘリで活動した隊や陸路で活動した隊など様々な災害医療活動がなされたとのことでした。今後の課題として、各医療機関が独自の判断で活動するよりも全体を統括する指揮命令系統の確立が必要という意見などが交わされました。

6)原子力災害現地対策本部医療班

福島原発事故に伴い複数被ばく者あるいは傷病者が発生した際に、司令塔の役割を担いオペレーションの始動・助言を行う災害医療アドバイザーとして、福島県庁内に設置された原子力災害現地災害対策本部に日本救急医学会より推薦をうけ派遣されました。 4月5日~8日の第1回目の派遣では、複数傷病者発生を想定したシミュレーションを企画、実行し、発災時の医療、搬送に関わる対応マニュアルの整備を進めました。また5月12~15日の2回目の参加時には、福島原発内で初めての心肺停止傷病者が発生しています。4月の参加時に整備した対応マニュアルが功を奏し、原発からJヴィレッジそして医療機関まで迅速な搬送を実行することができました。 災害医療の専門家として、このような活動を通じて今回の原子力災害がこれ以上被害拡大しないよう貢献したいと考えています。